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弁護士三瓶の本棚その2

 

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仮想通貨革命〜ビットコインは始まりにすぎない

野口悠紀雄 ダイヤモンド社

 

数年前にマウントゴックスという会社が倒産したことによりビットコインという仮想通貨が注目を浴びた。ビットコインは、ブロックチェーンという仕組みを使った仮想通貨。そして、このブロックチェーンは、今から20年前にインターネットという仕組みが世の中に出てきたときの衝撃と同じかそれ以上のインパクトがあるとのこと。

 ブロックチェーンの仕組みは難しいが、取引の一つをブロックのようにひとまとまりに記述する、取引が正しいことを証明するための作業があるため、不正が起きにくい。

 その特徴は、①中央の管理者いないので管理のためのコストが低い、②分散型台帳と言われるように、誰かが管理するデータセンターのようなものが存在せず、世界中のパソコンに情報が分散して記録されているため、攻撃に強い。つまり、中心のデータセンターがあればそこを攻撃され破壊されればデータは消えてしまう可能性があるが、世界中に分散しているとなると攻撃のしようがない。③改ざんできないため、仕組みそのものに信頼性がある。組織などの信頼性は不要になる。

 これらの特徴があり、いろいろな分野に応用が可能であるため、将来性の高い技術らしい。

 例えば、現在、株式のネットを通じた取引は瞬間的に行えるように見えるが、実はその後処理は3日程度かかるとのこと。ブロックチェーンの技術を使えば、この後処理が現時点でも数十分で終わるとのこと。

 ブロックチェーンは、金融に止まらない。不動産の登記簿がブロックチェーンで行われれば、法務局はいらなくなる。戸籍だって、遺言だってブロックチェーンでいける。市役所や公証人がいらなくなる。

 日本銀行がブロックチェーンの仕組みで仮想通貨を発行するとどうなるか。国民や企業は、直接日銀に口座を持つことができる。そこにお金を預けることができる。送金も。そうなれば金融機関は不要になる。

 つまり、今まで国や企業が人件費や仕組みづくりに多大なコストをかけてきたものが、低コストで信頼性の高い仕組みを作ることが可能になったのがブロックチェーンの技術ということらしい。

 一方で問題もある。例えば、楽天市場やアマゾンで覚せい剤を売る人が現れても警察は即座にやめさせることができる。最悪、会社が潰れるだろう。誰が管理をしているか明らかだからだ。しかし、ブロックチェーン技術を使ってマーケットができると、違法行為をやめさせることができない可能性がある。管理者がいないからだ。無理やり閉鎖することもできない。そしてこの問題はすでに現実化しているそうである。AUGURという予測市場。予測市場というと聞こえはいいですが、別の言い方をすると賭博にも当たりかねない。

AIだけではなく、いろんな技術で世界は変わろうとしてます。

さて、自分はどうしたいのか、どういう未来にするのか。

 

 

 

 

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