三瓶の本棚7
日本人のための憲法原論 小室直樹 集英社インターナショナル
会津高校出身で、紹介される際には「天才」とか「碩学」と頭につけられる小室直樹氏の本。
「日本人のための憲法原論」というタイトルですが、中身は憲法何条がどういう意味で・・・というような法律学の本ではありません。
憲法がどういう歴史を経て作られて来たのか、という主にヨーロッパの歴史が本当にわかりやすく書かれています。キリスト教のカルヴァンの宗教改革が歴史を変えたこと。民主主義や資本主義がどうやってできて来たのか。日本がアジアの中で、明治時代に近代化に成功した理由は何か。と一見関係なく見える出来事がどんどん繋がっていく。ここ最近読んだ本では一番面白かった本です。
現在、わが国で議論がなされている憲法改正については、護憲か改憲か以前に日本国憲法は死んでるんだから、そんな議論の意味はない、とバッサリ切り捨て。なるほど、という目から鱗が20枚くらい落ちる本でした。