B型肝炎給付金の請求
1 B型肝炎給付金とは
B型肝炎給付金の請求は、幼少期に受けた集団予防接種等の際に注射器が連続使用されたことによってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる方々が国に対して賠償請求を求める訴訟をしていました。
その結果に基づいて、基本合意書が作成され、その時点で国に対して賠償請求をしていない人についても、賠償がされることとなりました。
2 給付金の支給を受けるための要件
大まかに要件を述べると次のとおりです。
①B型肝炎ウイルスに持続感染していること
持続感染とは、一過性の感染では足りずに一定期間感染し続けていることが必要となります。これは、6ヶ月以上の期間をあけて2時点における検査をすることにより証明します。市町村で検診をすることもできますし、保健所で検査を受けることも可能です。自治体により異なりますが、低額または無料での検査を受けられます。
②満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること
これは、母子健康手帳、予防接種台帳、あるいは摂取根が確認できる旨の医師の意見書等により証明されることになります。
③集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
これは、昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までの間に出生していることが条件となります。
④母子感染でないこと(母が一時感染者で子が二時感染者の場合は別)
⑤その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと
B型肝炎ウイルスは、母子感染、輸血、父親などからの感染、性交渉による感染など様々な感染経路があります。
国が給付金を支給するのは、集団予防接種等によりなされた場合に限ります。
3 給付金の金額
給付金の金額は、次の表のとおりです。
給付金額 | |
---|---|
死亡・肝がん・肝硬変(重度)(発症後20年を経過していない方) | 3600万円 |
死亡・肝がん・肝硬変(重度)(発症後20年以上経過している方) | 900万円 |
肝硬変(軽度)(発症後20年を経過していない方) | 2500万円 |
肝硬変(軽度) (発症後20年以上経過した肝硬変の方で、現在も治療を受けている方) |
600万円 |
肝硬変(軽度) (発症後20年以上経過した肝硬変の方で、現在は治癒している方) |
300万円 |
慢性B型肝炎 (発症後20年を経過していない方) |
1250万円 |
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方で、現在も治療を受けている方 | 300万円 |
20年の除斥期間が経過した慢性B型肝炎の方で、現在は治癒している方 | 150万円 |
感染していて症状の出ていない方、20年の除斥期間が経過した無症候性キャリア (特定無症候性持続感染者) |
50万円 |
4 手続について
基本的には、国を相手に国家賠償請求訴訟を提起する形を取り、その中で和解(話合い)による解決を進めていきます。通常の裁判よりは、国は当初から話合いに応じる姿勢がありますので早期に解決することも多くあります。
なお、この給付金請求は、時限立法によりなされていますので、平成29年1月12日までに請求する必要があります。
亡くなられた方に関しても、相続人が立証書類等を準備できる場合は、請求可能です。