弁護士三瓶の本棚 その1
本:「1枚の「クレド」が組織を変える!」
著者:トリプルグッドグループ 実島誠
クレドとは、ラテン語で「信条」や「志」を意味する言葉。
リッツカールトンホテルのクレドが有名です。
その会社が何を大切にしたいのか、どういう会社でありたいのかを記載したものです。
会社のミッションは何か、そのミッションを達成するためにどのような行動が大切かを組織の人たちが分かち合うものであり、外部の人に対する約束や決意表明の意味があります。
この本は、クレドをどうやって作るか、組織内部で実践して行くにはどうすれば良いのかが丁寧に書かれています。
以前、コンサルタントの神田昌典氏の本を読んだときに、次のようなことが書いてありました。
「会社の経営者は、うちの社員は何々ができない、だめだと10年同じ事をぼやいている。でも、経営者は、その怒りや不満の中身を本当に社員に伝えたのか?自分が怒りを感じることをメモしておくといい。せいぜいどんなに多くても20個。そしたら、自分が何を一番大切にしているのか、どういう会社にしたいのか、どういう対応をしたいのか、してほしくないのか、リスト化して、それを繰り返し伝えればいい」
これって、まさにクレドだなと思いました。
神田先生がおっしゃるように、自分がこうしてほしいと思っているのに、してくれない、腹が立つというものは、実は同じ事なんですよね。しかも、伝えているのかといわれると1,2回はいったこともあるかもしれないけど。言いっ放し。
そこで、うちの事務所も昨年からクレドを作りました。
私の実感としては、伝わっている、と言う感覚があります。みんなわかってくれていると。もちろん、完全ではないし、まだまだ改善の余地はあります。
この本を読んで、経営者が自分1人で作ったクレドではダメで、みんなを巻き込んで作った方が、組織の内部にも浸透する、クレドを作っていく行為それ自体が浸透を進める行為であるということが書いてあり、今、うちでも早速みんなで見直しをしている最中です。
一緒に働く者が同じ価値観を共有できるかどうかは、これからの時代、とても重要な事だと思います。
とても簡単にわかりやすく書かれていますが、中身は濃い本です。